消化器疾患
食道の病気
逆流性食道炎
胸焼け、げっぷ、すっぱいものがこみ上げてくる(呑酸)などが主な症状です。
症状が進行すると吐き気、咳、のどの痛み、異物感を感じることもあります。
また咳の症状が風邪に間違われることもあります。
食道癌
男性に多く、タバコ、アルコール度数の高い飲酒が原因とされています。
お酒が弱い方、お酒を飲むと顔が赤くなる方(フラッシャー)もリスクが高いといわれています。
咽喉頭異物症
のどのつかえ感や食道付近に異物感がある症状です。
実際に内視鏡検査で咽頭(のど)、食道を観察しても明らかな異常はみられませんが症状があることが特徴です。
原因として心因性(メンタル的な要素・過度なストレス)であることが多く、心療内科的なアプローチにより改善が見込める場合があります。
胃の病気
急性胃炎
ストレス、食べ過ぎ、早食いなどにより胃酸過多もしくは消化不良がおこり、みぞおちの痛みや膨満感といった症状が出ます。
胃炎も進行すると胃潰瘍の原因となることもあり早めの診断、治療が必要です。
慢性胃炎
胃の炎症が長期的(数ヶ月から数年単位)続く状態をいいます。
慢性的な胃の炎症は癌のリスクとなる可能性もあります。
胃潰瘍
胃のキリキリとした痛み、吐き気が主な症状です。
進行すると黒い便が出ることもあります。
胃カメラで検査、診断をし内服薬で治療をします。
胃がん
胃がんの多くがヘリコバクターピロリ感染が原因とされていいます。
ほとんどが無症状ですが定期的な検査(胃カメラ・胃のバリウム検査)で早期発見すれば手術ではなく内視鏡で治療することが可能性です。(手術痕が残りません)
ヘリコバクターピロリ感染症
胃がん発症の関連因子として報告されている細菌です。
井戸水、幼少期の川遊び、親子間での感染がほとんどであり、無症状で進行し30代以降の健康診断(血液の抗体検査、胃のバリウム検査)や胃の不快感といった症状を契機に診断がつくことが多いです。
現在は除菌治療が確立されており、内服治療でピロリ菌除菌をすることが可能です。
機能性ディスペプシア
以前は慢性胃炎といわれていましたが、現在は一つの疾患として認識されています。
腹部膨満感、胃もたれ、吐き気など症状は様々ですが、胃カメラで検査をしても明らかな異常がみられない場合に診断がつきます。
生活習慣(早食い、過食、偏食)やストレス、自律神経の乱れなどが発症の原因です。
内服治療や漢方治療で改善が見込めます。
大腸の病気
過敏性腸症候群
慢性的な便通異常があり、下痢、便秘を繰り返す、またはそのどちらかが続く病気です。
原因としてストレス、自律神経の乱れなどがあります。
体質的に症状が出やすい方もいます。
消化器専門の医師でないと診断が難しいことが多く、また現代のようなストレス社会では増加傾向でもあります。
大腸ポリープ
大腸にできるポリープはそのほとんどが放置しておくと大腸癌になる可能性をもっているため早期発見、早期治療が原則です。
発見のきっかけとしては大腸がん検診(便潜血検査)で陽性になり、大腸カメラの検査時にみつかるというケースが多いです。
便潜血検査で陽性反応が出た方は積極的に大腸カメラを受けることをおすすめします。
大腸がん
大腸ポリープを放置するとがんになる場合が多いとされています。
早期大腸癌であれば内視鏡で治療できますが、進行大腸癌になると手術になることもあります。
症状としては便の狭小化、血便などです。
潰瘍性大腸炎
原因不明の疾患で若い人に多く、血便、腹痛が主な症状です。
慢性的な腹痛、血便がある方は早めの受診、検査が必要となります。治療法はある程度確立しており、ほとんどが内服薬で症状のコントロールができます。
感染性胃腸炎
細菌、ウイルスなどにより腹痛、下痢の症状を引き起こします。
症状が強いと脱水症状が出てくることもあり、点滴治療や抗生剤治療が必要になる場合もあります。
症状が軽い場合は胃腸風邪に準じた治療をおこないます。
急性虫垂炎
いわゆる「盲腸」と呼ばれる疾患です。
主に右下腹部の痛みがメインですが炎症が周囲に波及すると腹部全体の痛み、発熱がみられることもあります。
吐き気、みぞおちの痛みが問診、診察の結果急性虫垂炎であった場合もあり注意が必要です。
大腸憩室炎
食生活の欧米化(肉食、加工品)に伴い現在増加しています。
症状は腹痛、下痢、発熱などですが進行すると出血をきたすので血便がみられることもあります。
右下腹部が痛い場合は急性虫垂炎との区別が困難な場合もあります。
絶食、抗生剤投与で改善が見込めます。
便通コントロール(便秘にならなようにする)も発症予防になります。
肝臓の病気
脂肪肝
健康診断で肝臓の数値が高い場合、問診や生活習慣から脂肪肝が原因であると診断されるケースが増えています。
脂肪肝もアルコール、過食(甘いもの、脂質の多いもの)が原因の脂肪肝と、そうでない脂肪肝(NAFLD)があり、それぞれ治療法があります。
急性肝炎
ほとんどがウイルス感染(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなど)により肝臓の細胞が破壊され肝障害を起こすことで発症します。(倦怠感、黄疸など)
慢性肝炎
急性肝炎の状態が未治療のまま経過すると、慢性肝炎に移行することがあります。
B型肝炎、C型肝炎は治療法が確立されており、適切な服薬治療(抗ウイルス薬)でウイルスの増殖を抑えることができ、肝炎の状態を改善できることが報告されています。
その他の消化器の病気
胆石症
胆嚢の中に石ができます。(ほとんどがコレステロール胆石)
1cmを超えない少ない個数の胆石であれば薬で治療することも選択肢として考えられます。
胆石は脂質の多い食事を多くとると発作を起こし、いわゆる胆石発作という痛みになります。
胆石発作を繰り返す方は胆嚢摘出術という手術の適応になります。
急性膵炎
原因のほとんどがアルコール多飲です。
みぞおちの激痛がみられることが多く、ほとんどが入院し、点滴治療の適応になります。
膵がん
膵臓は腹部臓器の中でもやや背中側にある臓器で体型や検査の条件で物理的に見えにくいことが多い臓器です。
それゆえ膵がんのような予後の悪い疾患でもそのほとんどが偶発的(他の病気の検査でCTをとったらたまたま見つかったなど)に発見されるケースが多いといわれています。
健康診断の腫瘍マーカー検査でもある程度のスクリーニング効果は期待できます。
当院では、以上の疾患の診断と治療をしています
癌の治療に関しては、専門の病院に紹介します