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逆流性食道炎

逆流性食道炎

胃食道逆流症・GERD

このような症状でお困りではありませんか?

  • 胸焼けがする
  • 呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じ。のどがからい感じなど)
  • 慢性的に咳が続く
  • 胃やみぞおちの辺りが痛くなる
  • 吐き気がする
  • のどが痛い、違和感がある
  • 食後に胃がもたれる
  • ものを飲み込むときにつかえる

※高脂肪食や刺激物を多くとったとき、食後2~3時間までに起こることが多く、就寝時(特に明け方)にも症状を自覚することが多いです。
上記の症状に当てはまる方は、逆流性食道炎の可能性が高いといえます。専門医へ相談されるのが良いでしょう。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、胃で作られる消化液の胃酸が食道に逆流することによって、様々な症状を引き起こす疾患です。強い痛みを伴うこともあり、食事摂取の妨げにもなるために、程度や頻度によっては治療介入が必要となります。また、逆流性食道炎は「バレット食道がん(食道腺がん)」の原因になると考えられており、健康な方の7.7倍もバレット食道がんになるリスクが高いとの報告もあります。放置すると症状は悪化し、生活に大きく影響が出るため、我慢せずに専門の医療機関で診察を受けましょう。

胃酸が逆流する原因

逆流性食道炎は、胃で作られる消化液の胃酸が食道に逆流してしまうことで起こります。
食道の粘膜が酸によって傷つけられ、炎症を起こすのです。そうすると胸焼けや灼熱感が生じます。では、どうして胃酸が逆流するのでしょうか。

  1. 胃酸逆流防止機構の機能が低下する。
  2. 食道の動きが低下する。
  3. 食べ過ぎ・食生活の欧米化(高蛋白・高脂肪食)
  4. ピロリ菌に感染していない方

①胃酸逆流防止機構の機能が低下する。(食道裂孔ヘルニア)

食道と胃の境目には「下部食道括約筋」という筋肉があります。
胃の内容物が食道に逆流しないように、キュッと締まっているのですが、
それが緩んでしまうと胃酸が逆流しやすくなります。
その括約筋が緩んでしまい、「食道裂孔ヘルニア」と呼ばれる状態になると、
逆流性食道炎をおこしやすい状態になります。
「食道裂孔ヘルニア」は、腹圧が上がって胃が押し上げられてしまうことが原因です。
年齢を重ねると緩みがちですし、骨粗鬆症の影響などで、腰や背中が曲がっている方も腹圧がかかりヘルニアになりやすく、逆流性食道炎の症状で悩む方が多いですね。若い方でも「食道裂孔ヘルニア」の方はいらっしゃいます。
肥満、喫煙、気管支喘息などが原因になります。
太っている方でタバコを吸われる方は注意が必要ですね。

日常の診療の中で、腹圧がかかる原因として最も多いと感じるもの
  • お年の方:円背の方や田植えや畑仕事などをされている方。
  • 比較的お若い方:肥満、きついベルト、重いものを持ち上げる仕事に従事
物理的な問題で逆流してしまうもの
  • 姿勢の問題:田植え・屈むことが多い仕事
  • 枕をしない
  • 食べてすぐにソファにごろん。(←これは多いですよ)

②食道の動きが低下する

食道は筋肉を使い、食物を下へ運んでいきます。それを蠕動運動といいます。
年齢や病気などによる何らかの原因によって、蠕動運動の動きが悪くなれば、
逆流した胃液を胃へ戻す力が低下するため、それにより食道炎をおこしやすくなります。
強皮症と言われる病気になると、上記の理由で逆流性食道炎をきたします。

③食べ過ぎ・食生活の欧米化(高蛋白・高脂肪食)

胃の中の圧力が高くなり、逆流しやすくなります。胃酸の量も増えます。
食べ過ぎて胸焼けや呑酸(喉がからい感じ)を感じたことはありませんか? 食べ過ぎには注意しましょう。
刺激物(酒、たばこ、コーヒーなど)、酸味の強いものも原因となります。

④ピロリ菌に感染していない方

ピロリ菌に感染していない方は、胃の本来の機能である胃酸分泌が適正になされます。
その結果、食べ過ぎや刺激物などで胃酸が多くでた場合、逆流しやすくなります。
一方ピロリ菌に感染している胃は胃酸がでにくいため、逆流性食道炎はおこしにくくなります。
除菌治療(ピロリ菌をやっつける治療)によって、逆流性食道炎が悪化する場合があるので、
「ピロリ菌に感染している」かつ「胸焼けがある」人は、除菌治療を受けられる場合に注意が必要ですね。

逆流性食道炎を放置すると、、、

食道腺がんというタイプの食道がん

逆流性食道炎と食道がんの直接の関係は言われてないのですが、バレット食道は食道腺がん
のリスクがあります。
逆流性食道炎で繰り返し炎症を起こすと、食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わります。
これをバレット粘膜といい、バレット粘膜が存在する食道を「バレット食道」といいます。
「バレット食道」は「バレット腺がん」という食道がんにはなりやすいリスクがあり、注意が必要です。

逆流性食道炎の診断

上部消化管内視鏡検査(いわゆる胃カメラ)で診断します。  

逆流性食道炎の治療方法

食道裂孔ヘルニアそのものがあっても、症状が無ければ必ずしも治療を行う必要はありません。
ヘルニアがひどければ手術をすることもありますが、多くは不要です。
逆流性食道炎の診断がつき、症状がある場合には、治療対象となります。
胃酸を抑える薬や胃の働きを改善させる薬などを使用します。

  • 生活習慣の改善。(←これが最も大切です。)
  • 高脂肪食や刺激物を摂り過ぎない
  • 食後すぐ横にならない
  • 腹圧をかけないようにする。
    (ベルトをきつくしめない。ゆったりとしたズボン。前屈姿勢を避ける。)
  • 肥満(腹圧かかりやすい)を改善する。
  • 枕を使用する

 

胸やけ・逆流性食道炎の方は当院へ

当クリニックでは、消化器病専門医による「胸やけ・逆流性食道炎専門外来」を設けております。逆流性食道炎は、適切な治療と生活習慣の改善により症状を和らげることができます。また、当クリニックでは患者さんの症状に応じて胃カメラ検査を行うことも可能です。その際には、消化器内視鏡専門医が検査を担当します。どんな些細なご相談でも構いません。まずはお気軽に当クリニックまでお越しください。

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