腹痛
腹痛は、腹部の不快感や痛みの総称です。さまざまな原因によって引き起こされ、年齢や性別に関係なく、誰でも経験することがあります。腹痛は、体内の臓器や組織に異常があることを示すサインであり、適切な診察と診断、検査が必要です。
腹痛には「体性痛」と「内臓痛」の2つの主なタイプがあります。以下にそれぞれの違いを説明します。
体性痛
体性痛は、皮膚や筋肉、骨などの身体の表面や近くで感じる痛みです。
例えば、打撲や切り傷、捻挫などが体性痛の一部です。
この痛みは、具体的な場所にピンポイントで感じやすく、外傷などの外的要因で起こることがあります
鋭い痛みになることも特徴の一つです
内臓痛
内臓痛は、腹腔内臓器(胃・大腸・肝臓・膵臓・腎臓など)が何らかの傷や炎症を受けたことにより生じる痛みです
例えば、胃の炎症、膵臓の炎症、胆嚢炎などに伴うみぞおち付近の痛みが内臓痛の一例です。
この痛みは、身体の深部から広がる感覚で、具体的な場所を特定しにくいことがあります
鈍い痛みと表現することもできます
簡潔に言えば、体性痛は身体の外側で感じる痛みであり、内臓痛は身体の内側からくる痛みです
腹痛の原因と分類
消化器系の疾患
胃潰瘍・十二指腸潰瘍・胃食道逆流症などの上部消化管臓器が原因で腹痛を引き起こすことがあります
胆嚢炎や膵炎などの胆道系の炎症も腹痛を引き起こす原因となります
腸管系の疾患
細菌性腸炎・過敏性腸症候群(IBS)・炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)・便秘・下痢などが腹痛を引き起こすことがあります。
泌尿器系の疾患
腎結石・膀胱炎・尿路感染症などが腹痛を引き起こすことがあります
婦人科系の疾患
卵巣の嚢胞・子宮内膜症・子宮筋腫などが女性の腹痛の原因となります
腹痛に対する検査や治療法
腹痛の評価には、以下の検査が行われます
- 身体検査(視診・触診など)
- 血液検査
- レントゲン検査
- 超音波検査
- 内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)
腹痛に対しては原因により以下のように治療します
- 薬物療法(抗炎症作用のある薬剤・細菌感染が原因の場合は適切な抗生剤の選択など)
- 生活習慣改善(食事・運動療法、ストレスの軽減など)
- 手術(必要な場合は外科医と連携)
腹痛については、消化器専門医の診断と適切な管理が重要です。症状が持続する場合は、早めに専門医療機関を受診してください