胃炎(慢性胃炎・萎縮性胃炎)とは?
胃の不調を感じたとき、「少し胃が荒れているだけだろう」と軽く受け止めてしまう人は少なくありません。実際、胃薬の普及や検査技術の進歩によって、胃炎は以前より身近な疾患として認識されるようになりました。しかしその一方で、症状があっても受診を後回しにしてしまい、炎症が長引いたまま経過してしまうケースも見られます。
胃炎は単なる一時的な体調不良ではなく、炎症が長く続くことで胃粘膜の構造が徐々に変化し、消化機能の低下や胃がんの発生に関わる可能性もあるため注意が必要です。胃の炎症にはいくつかの種類があり、炎症の持続期間や進行の仕方によって分類されます。なかでもよく確認されるのが「慢性胃炎」と「萎縮性胃炎」です。どちらも身近な疾患ですが、症状の現れ方だけでなく、胃粘膜の状態や胃の働きにも異なる特徴があります。
胃炎とは?
胃炎とは、胃の内側を覆っている胃粘膜に炎症が生じた状態です。胃粘膜は胃酸や消化酵素から胃の組織を守る役割を担っていますが、刺激によって粘膜が傷つくと炎症が発生します。炎症が起こると粘膜の防御機能が低下し、胃の不快感や痛みなどの症状につながります。
胃炎は発症の経過によって「急性胃炎」と「慢性胃炎」に分類されます。
急性胃炎
急性胃炎はアルコール摂取、薬剤、ストレスなどによって突然発症することが多く、比較的短期間で改善する傾向があります。
慢性胃炎
慢性胃炎は長期間にわたって胃粘膜の炎症が続く状態であり、原因の多くはピロリ菌感染です。慢性胃炎のなかでも粘膜の変化が進行した状態が「萎縮性胃炎」と呼ばれます。
慢性胃炎の特徴
慢性胃炎は、胃の粘膜に炎症が長く続く状態を指します。長くピロリ菌に感染した状態が続くことが主な原因とされています。ピロリ菌は胃の強い酸性環境でも生存できる細菌であり、胃粘膜に定着して慢性的な炎症反応を引き起こします。その結果、胃粘膜の細胞が徐々に傷つき、機能が低下していきます。
慢性胃炎は症状がはっきりしないことも多く、食後の胃もたれや軽い腹部不快感、胸やけなどがみられることもありますが、無症状のまま進行する場合もあります。そのため、健康診断や内視鏡検査で初めて指摘されることも多く、症状の有無だけで判断することは難しい疾患です。
萎縮性胃炎とは?
萎縮性胃炎は、慢性胃炎が長期間続いた結果、胃粘膜が薄くなり機能が低下した状態のことです。胃粘膜には胃酸や消化酵素を分泌する細胞が存在しますが、炎症が持続するとこれらの細胞が減少し、粘膜が萎縮していきます。粘膜が薄くなることで胃の防御機能が弱まり、さまざまな消化症状が生じやすくなります。
粘膜の萎縮が進行すると腸上皮化生と呼ばれる変化が起こることがあり、胃がん発生のリスクと関連しています。そのため、萎縮性胃炎と診断された場合には定期的な内視鏡検査による経過観察が推奨されることがあります。
胃炎の主な原因
胃炎の原因はさまざまですが、慢性胃炎や萎縮性胃炎の主な原因として考えられるのがピロリ菌感染です。ピロリ菌は胃粘膜に長期間存在し、炎症を慢性的に持続させる特徴があります。日本では中高年世代を中心に感染率が高く、慢性胃炎の多くがこの細菌によって引き起こされると考えられています。
そのほかにも、鎮痛薬などの薬剤、過度のアルコール摂取、喫煙、強いストレスなどが胃粘膜に影響を与える場合があります。生活習慣や食習慣が胃の粘膜環境に影響を及ぼすこともあり、これらの要因が重なることで炎症が起こりやすくなります。
胃炎で現れる症状
胃炎の症状は人によって異なりますが、一般的にはみぞおち周辺の不快感や胃の痛み、食後の胃もたれ、膨満感、胸やけなどがみられます。また、食欲の低下や吐き気が生じることもあります。症状の程度は炎症の強さや個人差によって異なります。
慢性胃炎や萎縮性胃炎では、症状がはっきりしないことも珍しくありません。胃の粘膜変化が進んでいても自覚症状がほとんどないケースもあります。そのため、健康診断での胃カメラ検査や医療機関での内視鏡検査によって偶然発見されることも多く、定期的な検査の重要性が指摘されています。
胃炎の検査と診断
胃炎を診断するうえで、内視鏡検査は重要な検査のひとつです。内視鏡検査では、胃の粘膜を直接観察できるため、炎症の程度や粘膜の萎縮の範囲を確認することが可能です。必要に応じて組織を採取し、顕微鏡で詳しく調べることもあります。
また、ピロリ菌感染の有無を確認する検査も行われます。呼気検査、血液検査、便検査など複数の方法があり、患者の状況に応じて選択されます。ピロリ菌が確認された場合には除菌治療が検討されることが多く、これによって炎症の進行を抑えることが期待されます。
胃炎の治療と予防
胃炎の治療は原因に応じて行われますが、ピロリ菌感染が確認された場合には、抗菌薬と胃酸分泌抑制薬を組み合わせた除菌治療が行われます。除菌に成功すると炎症が改善し、萎縮の進行が抑えられることが報告されています。胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などが症状緩和のために使用されることもあります。
日常生活の見直しも重要です。過度な飲酒や喫煙を控えること、胃に負担の少ない食事を心がけること、十分な休息を取ることなどが胃粘膜の保護につながります。胃炎は適切な治療と生活習慣の改善によって管理が可能な疾患であり、早期の診断と継続的なケアが胃の健康維持に重要な役割を果たします。
安城市で胃カメラ・大腸カメラなら飯島クリニック
安城市の飯島クリニックでは、内視鏡専門医による苦痛を抑えた内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)を行っています。当院では、鎮静剤(静脈麻酔)を用いた検査に対応しており、リラックスした状態で検査を受けることが可能です。胃カメラ検査では、経鼻内視鏡検査を採用しており、咽頭反射がほとんど起こらず、不安や負担が少なく、安心して受診いただけます。
